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 マイクロアレイ(partly from RGP) 

  1. total RNAの調製

    以下の3つの方法に従い緑葉・根から調製した。
    1. フェノール/SDSとLiClを用いた方法(新版 植物のPCR実験プロトコール p54の2.早川/植物工学研究所)
    2. グアニジウム法 (新版 植物のPCR実験プロトコール p37の2. 番/青森県グリーンバイオセンター)
    3. グアニジンチオシアネート/CsCl法 (クローニングとシークエンス:植物バイオテクノロジー 実験マニュアル p.17 (2)植物RNAの単離法 (i)緑色組織)
      (材料によって、他の方法など、適宜使い分ける)

  2. mRNAの精製

    1. Oligotex-dT(Super)mRNA Purification Kit (宝酒造)
    2. μMACS mRNA Isolation Kit (MILTENIYI BIOTEC/第一化学薬品)を使用。
      (試みていないが、他のkitでも問題無いと思われる。)

  3. ラべリングプロトコール

    1. 一本鎖cDNA合成
      1. ウォーターバス42℃にセット
      2. 別のウォーターバス72℃にセット
      3. 試薬類はon ice。SuperScriptII(以下SSII)だけは-20℃
      4. mRNAを氷上でとかす
      5. 氷上で、1.5ml チューブに以下の試薬類を混合して、反応液を作る(チューブにサンプルmRNAの名前/識別番号を記入しておく)
        mRNA 1mg/ml 2μl(contains 2μg)
        Anchored oligo-(dT)25 2μl
        Rondom Nonamer 2μl(*)
        Distilled water 18μl(*)
        ※ Nonamerの添加はoligo dT以外にinternalからも逆転写を開始させ、ラベリング効率を上げるため。

      6. 70℃で5分間プレアニール
      7. 室温25度で10分インキュベート
      8. そのチューブに以下の試薬類を加える
        5×SSII reaction buffer 8μl
        0.1M DTT 4μl
        dNTP mix 2μl
        undiluted Cy3-dCTP
        (或いはundiluted Cy5-dCTP)
        2μl

      9. 緩やかに撹拌しスピンダウン
      10. -20℃からSSIIを氷上へ
      11. 2μlのSSIIを加え緩やかにピペッティングしスピンダウン
      12. 42℃暗所で1-2.5時間。
        ※注:プローブ調製には、スライド1枚当たり1μgのmRNAが必要。従って、このプロトコールでは、スライド2枚分のプローブが調製できる。

    2. RNAの除去

      1. 42℃から取り出して、94℃で3分間インキュベートこの際アルミ箔で上部を覆い遮光する
      2. 2.5MNaOHを4μl加える
      3. 37℃15分
      4. 2MMOPS or 2MHEPES 20μlを加え緩やかにピペッティングし、スピンダウン

    3. cDNA probe purification

      1. GFXカラム(AP社)or QIAquick PCR purification Kit (Qiagen社)
      2. 精製後、バキュームコンセントレーター(Speedvac等)で乾燥させる。
        (この際アルミ箔で上部を覆い遮光する)
      3. プローブは調製後、直ちにハイブリダイゼーションを行う方が望ましい。
        (すぐに使用しない場合、精製プローブは-20℃暗所で短期間保存可能。)
      4. 乾燥させたラベル済みのプローブを滅菌蒸留水で溶かす。
        (上記のラベリングプロトコールの場合、12μlの水を加え、2本のチューブに6μlずつ、とする。)

        (以下、チューブ1本分のハイブリダイゼーションのプロトコールを記す。)

      5. ミラータイプのスライドガラス板(type 7)を使ってマイクロアレー(以下、単にスライドグラスと称する)を作った場合には、ハイブリダイゼーション前に、前処理しておく。(前処理することにより、Cy3, Cy5の発色能の違いが少なくなる)。

    4. スライドグラスの前処理

      1. 55℃で予熱済みの5XSSC, 0.2%SDSを用いて、スライドグラスを55℃で2時間インキュベート(2時間を超過しないこと。)
      2. 前処理後、手早く滅菌蒸留水中でリンスし(5回上下させる)、引き続き、手早くイソプロパノール中でリンスした後(2回上下させる)、直ちに圧縮空気(エアーダスター等)で乾かす。

    5. ハイブリダイゼーション

      1. 6μlの水に溶かしたプローブを95℃で4分間インキュベートする。(熱変性)この際、アルミ箔で上部を覆い遮光する。
      2. 氷上で30秒、急冷する。
      3. プローブに 1.5μlの oligo A80 ( 1mg/ml)を加え混合する。(最終濃度:50ng/μl) (ターゲットDNAのpolyAT構造にnonspecificにmRNAのpolyA が結合するのを抑制するため)
      4. 70℃で45分間インキュベートする。この際、アルミ箔で上部を覆い遮光する。
      5. 7.5μlの4X マイクロアレイハイブリダイゼーション溶液 ver. 2 (Cat.No.RPK0325)と、15μlの脱イオンホルムアミドを加え、なるべく泡を立てないようにピペッテイングして混合する。
        (Sigma, Merck等の脱イオンホルムアミドを使用。未開封凍結保存ならば和光も可)
      6. スライドガラスとカバーグラス上のチリ・ホコリを、圧縮空気(エアーダスター等)で除去する。
      7. プローブ(最終容量 30μl)をスライドグラスの上に、下記のどちらかの方法でapplyする。
        1. プローブを、スライドグラスの「利き手と反対側の短辺」の近くにのせ、柄付き針か、細いチップを用いて、徐々にカバーグラスをかぶせてゆく。
        2. スライドグラス上に先ずカバーグラスを置き、その間にプローブを流し込む。キャピラリーアクションにより、プローブは自然に広がる。
      8. スライドグラスを42℃暗黒下で一昼夜、加湿状態でハイブリダイズさせる。

    6. ハイブリ後の洗浄

      1. 予め、第1洗浄液(1XSSC, 0.2%SDS)と第2洗浄液(0.1XSSC, 0.2%SDS)を55℃に暖めておく。
        (第1・第2洗浄液については、以下、55℃で予熱したものを使用する。)
      2. スライドグラスをインキュベータから出し、未使用の第1洗浄液中に沈めながら、ブレード等でカバーグラスを取り除く。(直ちに、3.の新しい洗浄液に入れる)
      3. 第1洗浄液で、暗黒下10分間穏やかに振とうしながら洗浄する。
        (洗浄操作は室温で行っても良い。)
      4. 第2洗浄液で、暗黒下10分間穏やかに振とうしながら洗浄する。
        (洗浄操作は室温で行っても良い。)
      5. 4.と同じ操作を行う。
      6. 0.1XSSCで、室温、暗黒下1分間穏やかに振とうしながら洗浄する。
      7. 6.と同じ操作を行う。
      8. 滅菌蒸留水で手早くリンスし(5回上下させる)、直ちに圧縮空気(エアーダスター等)で乾かす。

    7. 次に、スキャナーで、シグナルを検出する。


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