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 ゲル抽出(GeneClean II) 

 電気泳動を行ったアガロースゲルからのDNAをバンドを回収する方法には、数多くあるが、ここではglass beadsにDNAが特異的に吸着されることを利用したGeneclean II (Bio 101)キットを用いる方法を概説する。
 回収したDNAはサブクローニングを行ったり、各種の標識を行うプローブを作製する際に用いることができる。いずれの場合にも、回収するDNA料としては100ngから数μg程度である。なお、このキットを用いた場合、回収率は50%ととして計算するのが一般的であることから、それに必要なDNA(たとえばプラスミドDNA)料を計算し、制限酵素で切断し、電気泳動を行う必要がある。制限酵素の使い方、電気泳動の仕方に関しては、別項を参照にしていただきたい。

  1. キットの付属品

    1. 飽和NaI
    2. glass milk
    3. NEW(NaCl-ethanol-water) buffer

  2. 準備する物

    UVイルミネーター、メス、エッペン、チップ、ピッペットマン、恒温槽、
    高速冷却遠心器、ボルテックス、
    1xTE buffer(10mM Tris-HCl(pH8.0), 1mM EDTA)

  3. 実験操作

    1. 電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色したアガロースゲルを、UVイル ミネーターの上に置き、目的のDNAバンドをメスで切り出す。
    2. エッペンドルフチューブの重さをあらかじめ計っておき、そこへ切り出したゲルを入れる。再び、エッペンドルフチューブの重さを計って、ゲルの重さを計算する。
    3. ゲルの重さの3倍の飽和NaI溶液を加える。
    4. 50℃の恒温槽で温め、ときどき撹拌してゲルを完全に溶解する。
    5. Glassmilkをボルテックスで懸濁してから、Glassmilk 5μlをゲル溶液に加え、懸濁させて氷上で10分間放置する。
    6. 4℃、15000rpmで5秒間遠心し、注意深く上清を除く。
    7. 氷冷NEW(NaCl-Ethanol-Water)洗浄液 250μlを加えて、沈澱物をよく懸濁させた後、4℃、15000rpmで5秒間遠心し、注意深く上清を除く。この操作をさらにもう2回繰り返す。
    8. ゲルからのDNAの回収率を50%として、DNAの濃度が100ng/μlになるように1xTE bufferを加えて懸濁させ、50℃で10分間温める。
    9. 15000rpmで5秒間遠心し、上清を回収する。ここで目的のDNA断片がTE bufferに溶けた状態で得られる。
    10. このDNA断片を含んだTE溶液から1μlを取って、1.2%アガロースゲルで電気泳動を行い、目的のDNA断片のバンドが1本だけ認められることと回収率がほぼ目的通りであることを確認する。


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