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 Wizard法 (Promega) 

 ここでは、Wizard mini-prep(Promega)の使用法について概説する。これを用いて単離したプラスミドDNAは、ベクターDNA調整、プローブ調整、塩基配列の決定などといった数多くの面で利用可能である。ただし、一度に単離できるプラスミド量は、多くて10μg程度である。さらに多量に必要な場合には、別のキットを用いるようにする。
  1. キットの付属物

    Cell suspension solution  
    Resin  
    Column wash solution 使用前に、100%エタノールを等量加える
    Column  
    Cell lysis solution キットに付属しているが、その都度調整した方がよい
    Neutralization solution  

  2. 準備する物

    ピッペトマン  
    チップ  
    エッペン  
    100ml三角フラスコ  
    抗生物質 Amp, Kmなどで、保存液は終濃度の1000倍に作製しておく。
    大抵の場合、50mg/mlで作製し、フィルター滅菌する
    白金耳  
    ガスバーナー  
    クリーンベンチ  
    恒温振盪機  
    恒温槽  
    高速微量遠心器  
    ボルテックスミキサー  
    5ml注射器  

  3. 試薬類

    1. 2x LB培地
      2% Bacto Trypton
      1% Bacto Yeast extracts
      1% NaCl

    2. 1x TE
      10mM Tris-HCl(pH8.0)
      1mM EDTA

    3. 5N NaOH

  4. 実験操作

    1. E.coliの培養
      1. 5mlの2×LBを滅菌した100mlの三角フラスコに入れ、抗生物質を加える。
      2. 大腸菌の生えたプレートからシングルコロニーを白金耳でとり、37℃で一晩培養する。

    2. Mini-prep kitを用いたプラスミドの単離
      1. 翌朝、実験を始める前に、次のものを準備する。
          キットの内容物を室温に戻す。0.2N NaOH/1% SDSを調製する。
         1xTEを65℃に保温する。
      2. 1.5mlのエッペンに培養液を1.5ml注ぎ、4℃・4000rpmで5分間、2回遠心する。
      3. 上清を完全に除き、Cell Suspension solutionを200μl加え、ボルテックスで完全に懸濁する。
      4. O.2N NaOH/1% SDSを200μl加え、透明になるまで丁寧に混合する。
      5. Neutralization solutionを200μl加える。激しく混合し、完全に中和する。
      6. 4℃・12000rpmで5分間遠心する。
      7. 上清を別のエッペンに移し、再度4℃・12000rpmで5分間遠心する。
      8. 上清を別の2mlのエッペンに移す。
      9. Resinを撹拌してから、エッペンに1ml加える。
      10. 3ml注射器からシリンダーを抜き、columnを装着する。
      11. 9.の溶液をデカントで注射器に入れ、下に100ml三角フラスコを置いて、シリンダーを押し下げる。
      12. columnを外し、シリンダーを抜き、再度columnをつける。
      13. Culumm wash solutionを2ml注射器に入れ、シリンダーを押し下げる。
      14. columnを外し、1.5mlのエッペンにのせる。
      15. 4℃・12000rpmで20秒間遠心する。
      16. columnを別のエッペンに移し、65℃の1xTEを50μl columnに注ぐ。
      17. 1分間室温に放置する。
      18. 4℃・12000rpmで20秒間遠心する。
      19. 一部をとって、分光光度計でDNAを推定する。定量法に関しては、別項(核酸の定量)を参照のこと。
      20. 4℃あるいは-20℃に保存する。


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