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 一般試薬の調製 

 一般的に用いる試薬を以下に示す。これらの試薬は、以下の注意点に十分留意すること。

  1. 全て蒸留水あるいは超純水を用いること。水も立派な薬品の1つである。
  2. 試薬を天秤で計量する場合は原則として薬さじは用いず、試薬のコンタミを避けること。
  3. 特に注意書きのない限り、121℃・20分間のオートクレーブ滅菌を行うこと。


  1. 1M Tris-HCl
    Tris 121.1g 60.6g
      1000ml 500ml
    ※ 溶解後HClでpHを調整し、fill upする。

  2. 0.5M EDTA
    EDTA 2Na・2H2O 181.6g 93.1g
      1000ml 500ml
    ※ pHをNaOHで調整しながらfill upする。EDTAはpH 8に近づかないと溶解しない。

  3. 5M NaCl
    NaCl 292.2g 146.1g
      1000ml 500ml

  4. 3M NaOAc(pH 5.2)
    CH3COONa・3H2O 408.2g 204.1g
      1000ml 500ml
    ※ 氷酢酸でpHを調整し、fill upする。

  5. 10% SDS
    SDS 100g 50g
      1000ml 500ml
    ※ 68℃に加温して溶解し、HClでpH 7.2に調整する。この溶液はオートクレーブをかけてはいけない(かけると白く固まってしまう)。オートクレーブをかける場合は以下の方法で調整する。なおSDSを計量する場合は、マスク等を着用した方がよい(SDSは粘膜刺激性薬品である)。

    SDS 100g 50g
    1M Tris-HCl(pH 7.5) 50ml 25ml
      1000ml 500ml
    ※ 上記の方法のように加温して溶解する。pHを調整する必要はない。この方法で調整した場合はオートクレーブ可。なおSDSを計量する場合は、マスク等を着用した方がよい(SDSは粘膜刺激性薬品である)。

  6. 30% PEG
    PEG#6000(Sigma P-5413) 300g 150g
      1000ml 500ml

  7. 100×TE (1M Tris-HCl,100mM EDTA; pH 7.5あるいは8.0)
    Tris 121.1g 60.5g
    EDTA・2Na・2H2O 37.2g 18.6g
      1000ml 500ml
    ※ HClでpH 7.5あるいは8.0に調整後、fill upする。TEは低濃度の塩溶液で変質しやすいので100×TEのstock solutionを調製しておき、50ないし100ml単位で100倍希釈液を調製し、早めに使いきる方がよい。

  8. TEG (25mM Tris-HCl,10mM EDTA,50mM glucose)
    1M Tris-HCl(pH 8.0) 25ml 12.5ml
    0.5M EDTA(pH 8.0) 20ml 10ml
    Glucose 9g 4.5g
      1000ml 500ml

  9. 飽和フェノール
    フェノール 400ml
    滅菌水 400ml
    1M Tris-HCl(pH 8.0) 32ml
    8-ハイドロキノリン 0.83g
    1. 特級のフェノールは常温では固体なので、65℃のウォーターバスでフェノールを溶解し、再凝固しないように少量の滅菌水を加える。
    2. 滅菌したボトルに、1.の液体フェノールを400ml移す。
    3. 滅菌水 400mlと1M Tris-HCl(pH 8.0) 32ml、8-キシノール 0.83gを加え、激しく混合し一晩放置する。
    4. 2層に分離し、透明になってから使用する。オートクレーブ滅菌はしない。アルミホイルで遮光するか、あるいは褐色瓶に入れておくようにする。


  10. クロロホルム/イソアミルアルコール
    クロロホルム 500ml
    イソアミルアルコール 20.08ml
    ※ 褐色瓶あるいはアルミホイルで遮光して4℃で保存する。

  11. フェノール/クロロホルム
    飽和フェノール 500ml
    クロロホルム/イソアミルアルコール 500ml
    ※ 滅菌したボトルに加え、激しく混合する。一晩4℃で放置し、層に分かれてから使用する。

  12. 20×SSC (0.3M クエン酸ナトリウム二水和物, 3M NaCl)
    NaCl 175.3g 87.7g
    クエン酸Na・2H2O 88.2g 44.1g
      1000ml 500ml

  13. 20×SSPE
    NaCl 174.0g 87.0g
    NaH2PO4・H2O 27.6g 13.8g
    EDTA・2Na・2H2O 7.4g 3.7g
      1000ml 500ml

  14. LB培地
     
    Bacto-Tryptone 10g 20g
    Bacto-Yeast Extract 5g 10g
    NaCl 5g 10g
    Glucose 1g 2g
      1000ml 1000ml
    ※ 寒天培地:LB液体培地にBacto-Agarが1.5%の割合になるように入れる。

  15. 10×KCM (1M KCl, 0.3M CaCl2, 0.5M MgCl2)
    KCl 7.46g
    CaCl2・2H20 4.41g
    MgCl2・6H20 10.17g
      100ml

  16. IPTG溶液 (1M イソプロピル-β-D-チオ-ガラクトピレノシド)
    IPTG 0.238g
      10ml
    ※ 濾過滅菌し、-20℃に保存。使用時には解凍した後、1度ボルテックスしてから使用する。
    ※ 寒天培地に加える場合(プラスミドの場合)は、10μl/100ml(final 0.1mM)
    ※ トップアガー・アガロースに加える場合(ファージの場合)は、2.5μl/3ml

  17. X-gal溶液 (2% 5-プロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-ガラクシド)
    X-gal 40mg
    ジメチルホルムアルデヒド 2ml
    ※ -20℃に遮光保存。
    ※ 寒天培地に加える場合(プラスミドの場合)は、100μl/100ml(final 20μl/ml)
    ※ トップアガー・アガロースに加える場合(ファージの場合)は、25μl/3ml

  18. DNase free RNase(リボヌクレアーゼA溶液)
    RNase A(Sigma R-4875) 100mg
    1M Tris-HCl(pH 7.5) 100μl
    5M NaCl 30μl
    10ml
    ※ よく混合し、110℃で15分間加熱して氷で急冷する。
    ※ 1mlに小分けしてエッペンチューブに分注し、-20℃で保存する。


  19. TAE
    Tris 48.4g
    Acetic acid 14.4ml
    EDTA 3.72g
      10 L

  20. 10×Dye
    ブロムフェノールブルー(BPB) 42mg
    キシレンシアノール(XC) 42mg
    グリセロール 5g
      10ml



 以上が、一般的に用いる試薬類である。注意事項を守ってチェックしながら作成すること。他の人も使うので十分に注意する。


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