- 準備物
駒込ピペット・パスツールピペット(オートクレーブ滅菌)、6cm滅菌シャーレまたは20ml用培養フラスコ、15% FCS/RPMI、7% CO2、37℃条件に設定したCO2インキュベーター、クリーンベンチ、ミエローマ細胞(P6)、
- 実験方法
- ハイブリドーマの片親であるミエローマ(P6)細胞を生きたままか、凍結した状態で実験をすでに行っている研究室から譲り受けるか、購入する。凍結細胞の解凍の仕方は後述する。
- 1x105細胞を5mlの15% FCS/RPMIに懸濁し、6cmシャーレにまく。細胞数の数え方は、後述する。
- このシャーレをCO2インキュベターに入れ培養し、3-4日おきに、継代する。
- 継代法
通常の操作であり、3-4日おきに行う必要がある。
- 準備物
駒込ピペット・パスツールピペット(オートクレーブ滅菌)、6cm滅菌シャーレまたは20ml用培養フラスコ、15% FCS/RPMI、7% CO2、 37℃条件に設定したCO2インキュベーター、滅菌済みの50ml遠心チューブ、廃液ビン(適当なコップをオートクレーブしたもの)、クリーンベンチ、低速遠心器、
- 実験方法
- 培養中のシャーレを少し傾けて、駒込ピペットで培地を吸ったりはいたりすることで、細胞をはがす。
- 細胞を50ml遠心チューブに移して、1000rpm、10分間遠心する。
- 上清を捨て、5mlの15% FCS/RPMIを加えて駒込ピペットで懸濁する。
- 細胞数の計測する。測定法については、後述する。
- 5ml培養用のシャーレに予め必要量の15% FCS/RPMIを入れておき、先のサスペンジョンから1x105細胞を含むように取り、シャーレに加え、CO2インキュベーターに入れ培養する。但し、細胞がシャーレの底1面に広がるまでは、簡易的に3-4日おきに古い培地を捨て、新しい培地を加えても構わない。
- 凍結保存
重要な細胞はいつまでも培養を続けるのは危険であるから(突然変異などで 形質が変わる恐れがあるため)、凍結保存を行う必要がある。普通、凍結を行 うにはプログラムフリーザーや液体窒素を必要とする。しかし、こうしたもの は高価であったり維持が大変であるので、ここでは保護剤として、FCSとDMSOを用いた簡便法で行う。
- 準備物
駒込ピペット、パスツールピペット、1ml・5mlメスピペット(オートクレーブ滅菌したもの)、凍結用チューブ(Nunc Cryotubes 3-66656)1ml用、FCS(牛胎児血清)、凍結用チューブがはいる大きさの発泡スチロール(上下でふたのできるもの)、50ml遠心チューブ、廃液ビン(適当なコップをオートクレーブしたもの)、ジメチルスホオキシド(DMSO);オートクレーブし室温で暗所に保存すること、RPMI(作製法は前述)、対数増殖期にある細胞(凍結保存液1ml当り1x107;細胞が容器いっぱいに増殖している場合の目安として、6cmシャーレで培養している場合は2枚、20ml用培養フラスコの場合は1本)、低速遠心器
- 実験方法
- 培養中のシャーレを少し傾けて、駒込ピペットのピぺッティングにより細胞をはがす。
- 細胞を遠心チューブに移して、1000rpm、10分間、室温で遠心する。
- 上清を捨て、5mlのRPMIを加えて駒込ピペットで懸濁する。
- 細胞を遠心チューブに移して、1000rpm、10分間、室温で遠心する。
- FCSとDMSOを9:1で混合した凍結保存液を新しい遠心管に作る。
- 上清を完全に捨て、凍結保存液1ml当り1x107細胞になるように凍結保存液を加え、パスツールピペットでやさしくピぺッティングする。このとき決して泡を立てない。
- 凍結保存液に懸濁した細胞1mlをパスツールピペットで吸い、凍結保存チューブに入れ、ふたを完全にし、容器のラベルには、必ず、細胞の名前、実験者名、継代数、年月日を記入する。このとき決して泡をいれない。
- 凍結を行うまでの間は、氷の上において置く。
- 先の凍結保存チューブを発泡スチロールの容器にいれ、ふたのところをビニールテープでシールする。このとき、上下を逆さまにしない。
- -80℃の冷凍庫にいれて凍結する。翌日には凍結が完了しているので、別の箱にいれて同様に-80℃の冷凍庫で保存する。通常この条件で1年間は保存可能である。
- 解凍法
細胞を凍結する際には、ゆっくりと凍結するのが基本であるが、解凍は、一気に37℃にまでもっていかなければならない。
- 準備物
駒込ピペット、パスツールピペット、1ml・5mlメスピペット(オートクレーブ滅菌したもの)、凍結保存してある細胞、15% FCS/RPMI、50ml遠心チューブ、廃液ビン(適当なコップをオートクレーブしたもの)、6cm滅菌シャーレ、RPMI、低速遠心器、
- 実験方法
- 凍結してあった凍結チューブを取り出し、37℃の湯の中につけ、一気に解凍する。
- パスツールピペットで凍結チューブから細胞を取り出し、遠心チューブに移し、RPMIを5ml加え懸濁し、1000rpm、10分間遠心する。
- 上清を捨て、5mlの15% FCS/RPMIを加えて駒込ピペットで懸濁し、6cm滅菌 シャーレに移し、CO2インキュベターに入れ培養する。
- 細胞数の計測
通常の培養、継代にも細胞数の計測は重要であるが、細胞融合やクローニングの際、特に重要な技術である。培養の途中で必要に応じて行い、必要量だけ クリーンベンチ外に取り出し、有菌の状態で行ってよい。そのため、クリーンベンチから取り出した後に用いる器具を滅菌する必要はない。
- 準備物
パスツールピペット、0.5%トリパンブルー(in 0.15M NaCl)液、-PBS(calsium and magnesium free phosphate buffered saline; NaCl:8.0g,KCl:0.3g, Na2HPO4:0.073g, KH2PO4:0.02g/ DDW 1000ml に溶解させ濾過滅菌4℃で保存)、血球計算盤、位相差倒立顕微鏡、試験管、ピペットマン、チップ、
- 実験方法
- クリーンベンチ内で懸濁してある細胞を試験管に0.1ml取り、-PBSで10倍に希釈する。これ以降の操作は、クリーンベンチ外で行って良い。
- この溶液に0.5%トリパンブルー溶液を1/10量(0.1ml)加え、よく混ぜる。
- 血球計算盤をホルダーにセットし、ガラスのすきまから、(2)の溶液を入れる。
- この血球計算盤を位相差倒立顕微鏡にセットし、細胞数を数える。このとき、計算盤内の上下2箇所にある5箇所の計測面(4角と中央の1箇所)、合計10箇所の生きた細胞数のみを数える。ここで言う生きた細胞とは、光っている細胞のことであり、死んでいる細胞とは細胞内が青く染色されているものをさす。
- 10箇所で数えた生きた細胞数の合計が、100-300ぐらいになるように(1)の希釈率を調整する。
- 10箇所の体積は、深さが0.1mmの場合、1/1000mlであることを考慮にいれ、実際の細胞数を計算する。